バイオエタノールをガソリンスタンドで給油する時代はくるのか

国産バイオ燃料、600万キロリットルに拡大(時事通信)

バイオエタノールについての備忘録

バイオエタノールとは、バイオマス(さとうきびなどの植物)から製造されるエタノールのこと。

バイオエタノールは、カーボンニュートラルなので温室効果ガス削減につながる。

カーボンニュートラル

バイオエタノールの消費は、植物が吸収したCO2を燃焼によって大気中に戻すだけなので、炭素収支は±0。(石油の場合は、地下にある炭素を空気中に放出するので、炭素収支は増える)

環境省や農水省は、エタノールをガソリンに直接混合する方式(E3)、経産省と石油連盟は、エタノールに石油ガスを混ぜた燃料(ETBE)をガソリンに混合する方式を導入しようとしている。

エタノール直接混合方式

エタノール直接混合方式は、ブラジルやアメリカですでに実施されている。

E3とは、エタノール3%混合ガソリンのことである。(E10なら10%混合)

すでにE3については、既存車両でも国内で使用可能。ブラジルではE100対応の自動車もある。

問題点としては、

・エタノールは水分と結びつきやすいので、高温多湿な日本では水分と結合して不具合を起こす可能性があること。
・これを避けるため、油槽所や給油所で防水対策などに設備投資が必要となり、さらに給油段階に近い過程でガソリンと混合する必要があること。
・エタノールは、ガソリンより揮発性が高いので、直接ガソリンに混ぜるとさらに気化しやすくなり、大気汚染の原因になるかもしれないこと。
・給油所での混合が可能なため、品質管理が一元的におこなえないこと。

などが挙げられる。

ETBE方式

ETBE方式は、ドイツやフランスなどで実施されている。

ETBEは、ブタンを異性化させたイソブテンとエタノールを4対3の割合で混ぜて製造される。

ETBEの最大の利点は、性質がガソリンとほぼ同じなので、既存インフラがそのまま使えること。さらに、ガソリンに混入してから出荷するので、製油所で一元的に品質管理がおこなえること。

問題点としては、

・ETBEの毒性に関する調査が進んでいないこと。【環境庁資料:PDFファイル】
(石油連盟側では、「2007年末に有害性・発がん性などの調査とリスク評価を行う」と言及している)
・高濃度のETBEは人体への影響があることは立証されている。エタノールと違って、ETBE100%はありえない。

共通の問題点

・高コスト。
・食糧問題への影響。穀物の高騰。
・インフラ整備。アルコールによる腐食への対応。
・発熱量が小さいので燃費が悪い。
・蒸気圧が低いので冷間時の始動性が悪い。

などなど。

実証試験段階なので、様々な問題があるのは仕方がないかもしれないですが、足並みは揃えて欲しいところです。

個人的には、既存の車にはETBEから始めたほうが混乱は少なく、普及も早いのではと思います。(毒性がクリアできればですが。)

しばらくは、エタノールプラントで作ったエタノールを石油元売りが買って、ETBEに加工するのはダメですかね?減税して。

この記事をシェアする

コメントする

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

コメント

全2件
  1. SKT より:

    バイオエタノールてすごいですね

  2. TKC より:

    初コメントありがとうございます(;∀;)
    小売レベルでは補助金でもない限り大変な話ですが。

  • 最新の記事

  • ブログランキング

  • 島根県ランキング にほんブログ村 地域生活(街) 中国地方ブログ 島根県情報へ PVアクセスランキング にほんブログ村